近年のホール店舗におけるゴト監視及び対策レベルの推移
近年のホール内における、ホールスタッフのゴト対策レベルは、年々低下の一途をたどっ
ています。原因は、ホールスタッフの人員削減とスタッフの非正規社員体制に移行するこ
とによる、ゴト対策教育の不足(ほぼ皆無)によるものです。
ただし、遊技台メーカーのゴト被害に対する対応が敏速で有ることが、ホールの被害を
抑えている状況です。 しかし、総合的にゴト対策レベルは減衰しているといえます。
また、ゴト師の手口が多様化すると同時にローテク化する事が、ゴト監視をスタッフの能
力に頼るところが、大きいため、ゴト被害を抑える事が出来ないと、考えられます。
何よりも、懸念すべきは、多くのゴト被害を店舗で認知することなく、被害が拡大してい
るという点です。多くの場合、ホールコンピュータの異常と考えられています。
一例として、異常データの確認のため、ホールコンピュータ会社のスタッフが立ち会うと
データが正常になっていた、と言うことが現実に起こっています。
しかし、メーカーの対策にも限界があり、
また、ホール店舗の利益状態から考えて、店舗スタッフの増員は、困難と思われます。
20年前の店舗でも、現在と同様のゴト被害が有ったのも事実です。
では、昔は如何にして対策がなされていたのかを考えた場合、大きな要因は、以前は
250台規制により、店舗の遊技台が250台であり、スタッフも正規社員で有った
ため、お客様をキメ細かく、観察する事が可能で有った事と、ゴト師を監視するため
の経験が有り、抑止が可能であったと考えられます。
しかし、現在では、多くの店舗が500台以上となり、また、ホールスタッフも最小
人員です。
この現在のホールの状況に対応する、今後の対策は、どうするべきか、このことを考
えるに、現在のパソコンの進化が鍵となります。
現在のパソコンは10年前の100倍以上の処理能力を有していると考えられます。
また、近年のホールコンピュータもパソコンの進化により、飛躍的に処理能力が向
上しています。
この現在のパソコンの能力であれば、ホールコンピュータの定時的に出力される遊技
台データ(これまではデータ公開機用データ)を利用して、異常データ(ゴト師の作
り出す不正データ)の監視が可能です。
それは、あたかも店長やスタッフがホールコンピュータを営業時間中連続して確認す
るようなものです。
ホールコンピュータのデータは、閉店後に確認すると、平均化されて正常となって
しまいますが、最近のゴト師が作り出す異常データ(ホールでの通常誤差を超えない
ようにメダルや玉を抜いている、また、スタートやベースに大きな誤差を出さないよ
うに、時間を掛けてゴト行為を行なっています。)の特長と言えます。
しかし、一定期間で確認すると異常となるデータを発生しています。ただし、異常
定量値の設定による、監視は、定量(設定値)を定めるのに、豊富な経験が必要なた
め、現時点では、十分に機能していないようです。
もし、店舗で確認する場合、打子(ゴト師)が遊技をしている間のデータのみで、確
認する事が必要です。
これからの不正対策は、ホールに携わる、各種機器メーカーが協力する事で、大きく
進化し、低価格でゴト被害が発生する毎に、新たな対策部品や監視部品の設備費を必
要としない、ゴト監視・対策が可能となります。
それは、最近また、話題になっているコンピュータウィルスに対抗するための、コン
ピュータウィルス監視プログラムと同様機能と考えていだければ、御理解いただける
と思われます。
最近のゴト師の行動
ゴト行為が発覚しても、窃盗とならないように、ゴト器具(電波の受信用玉やセル・ク
レタンなど)を取り付けたり、仕込んだりする、主犯格のゴト師は遊技台でゲームはせず、
打子が打ちます。
また、多くの場合、店舗で使用しているインカムと同様の機種を使用して、店舗スタッフ
の交信を傍受し、ゴト行為が発覚しそうな、交信が有ると即座に、ゴト器具のみ回収し、
そのまま、遊技を続行します。 その時に店舗スタッフが遊技台を確認に行くと、何も発
見できない事から、偶然と思い込んでしまいます。当然、これ以後、同様の手口での被害
は、三ヶ月以上発生しません。
このように、最近のゴト師は大きく抜くよりも、安全にゴト行為を長期的に行なう事を
基本としています。